ブログ

一覧に戻る

自社の強みも売上が上がる根拠も、説明できるようになりました

「知らない」ということは、経営を悪化させかねない

最初に池永経営に相談に伺ったときは本当に不安でした。
決算書を見て頂き、現預金残高はマイナス、当期利益もマイナス、社長である父に聞いても「お金は全くない」と言われ、このままではいけないことはわかっているけれど、どこから手を付けたらよいか全くわからない状態でした。
 
早速、決算書の内容を1つずつ解きほぐして頂きました。
長期借入金の内容を把握しましたし、現預金のマイナスは「当座借越」を行っていたこともわかりました。
どちらも市場金利よりかなり高く、金利負担が大きいこともよくわかりました。
いつ倒産してもおかしくない状態で、担当の鉄本さんには、「本当に立て直しに向けて頑張りますか?一度清算してやり直す方法もあると思います」と言われました。
しかし、大きな負債をすべて確認したその上で、立て直すことを決断しました。
 
 

新規融資を受けるか、リスケを行うか

ここから奮闘が始まりました。
まずは、今にもショートしそうな資金繰りの改善。
徹底的な経費の見直し、役員報酬の削減による社会保険料の削減。
役員報酬減による生活費の不足は、膨らんでしまった役員借入金を徐々に返してもらうことで補填しました。
 
この時、池永経営以外に、尾道同友会の有志で結成している「寺子屋」という勉強会のメンバーにも相談しており、みなさん本当に親身になって力を貸してくださいました。
 
金融機関にも協力していただかなければ資金繰りがつかない状態でもありました。
ここにきて、新規の融資を受けるか、返済をリスケジューリングしてもらうかで意見が分かれ、悩みに悩みました。
鉄本さんからは、「判断材料は出尽くしました。悩まれている理由もわかります。
しかし、最後に決断するのは経営者です。どちらになっても構いませんから、決めて、そして進みましょう」とアドバイスをもらいました。
 
この時は、新規融資をしてもらう方向で決断し、交渉を重ね、なんとか追加の融資を受けることができました。
 
 

新たに売上を作るためには?

いったん資金繰りがついても、赤字であることには変わりありません。
経費削減だけでは限界があり、売上を増やさないことには収支は改善しません。
なんとか新しい売上を作る方法を考えていました。
 
しかし池永経営さんからは、「新しい売上を作る前に、既存の売上を書き出してみましょう」と言われました。
資金のない状態で全く新しい売上を作り出すことは難しい。
でも今の売上がゼロではないのなら、これをベースに考えた方が新たな投資もなく、確実にそれまでの強みを活かせるということでした。
 
弊社の売上の構成は、
 ・幼稚園・小学校・中学校などでの撮影
 ・自社スタジオでの撮影
 ・ダンス教室の売上
の3つでした。
 
写真業の間では、スタジオ撮影の方が利益率が高く、学校関係は儲からない、というのが定説でした。
当然、私もスタジオ撮影をいかに伸ばすかを考えていました。しかし、大手チェーン店が強く、スタジオ撮影の売上も徐々に落ちていました。
一方、学校関係の撮影は、当社が老舗であることもあり、市内で一番多く行っていました。
利益がほとんど残らないスナップ写真ではありますが、学校活動のいきいきとした様子を撮ることには自信がありました。
スナップ写真を買うのは、七五三や成人式を控えている子供たちやその親ばかリです。
写真をお渡しするときに、ちょっとだけ広告を入れさせて頂きました。
これが効果抜群!
さらに、スタジオでの撮影の楽しさを体験してもらいたくて、社員と様々なイベントも考えました。
こうして、多くのスタジオ撮影のお申込みを頂くことができました。
 
 

経営者として身に付けたこと

何をすればいいかわからないからこそ、人の意見をどんどん聞いて素直に取り入れる。
経営改善を続けるうちに、「心に余裕を持つこと」が大切だと気付きました。
何かが起きても、落ち着いて判断し、資金もしっかり手元に準備するように心がけました。
コロナ禍においても売上が減少しましたが、みんなで相談し、慌てることなく対策を考え、黒字で着地させることができました。
 
立て直しをする前と後で変わったことの1つに、「自己分析ができるようになったこと」があります。
以前、金融機関の担当者から、「計画が夢ばかりで根拠がない」と言われ、悔しくて悔しくてしかたがなかった記憶があります。
しかし今では、自社の強みをしっかりと伝えることができます。
売上が上がる根拠も説明できます。
池永経営さんと寺子屋のメンバーに鍛えてもらったおかげです。
 
以前は、何かするときに良いか悪いかの判断ができませんでした。
でも池永経営さんに、その道しるべを作ってもらった気がします。
また、分岐点がある時、自分が選んだ先に、どういうお金の動きがあるのかも教えてもらいました。
 
今後、写真業とダンススクールの組み合わせをさらに強化し、現状に満足することなく、地域にサービスを提供していきます。
 
 

一覧へ

次へ