「節税」できる税理士とは

節税に対する考え方

事業活動は、利益を上げることが条件です。そして、会社が好業績で利益が多くなると、税金の額も上がります。すると、「今期は業績が良いぞ!」と手放しで喜べないこともあるかもしれません。

 

税理士は事前に年間売上と利益を予測して、納める税金等の対応策を経営者にアドバイスをします。それは、法に則って行います。

 

さて、節税には様々な方法があります。

「特別減価償却制度」のように分かりやすく制度化されたものがあります。また、経費の計上の仕方によって節税に繋がる複雑なしくみを利用する場合があります。ところが、節税への取り組みの姿勢は、税理士によって様々です。

 

私たちは、お客様からの要請がなくても節税に対応します。

経験」と「最新情報への対応力」で、可能な節税対策をアドバイスします。だから、お客様は、複雑で難しい税金のしくみを知る必要がありません。

節税に関するご提案内容

  • 費用対効果の

    高い節税

  • 将来を見越した

    計画性のある節税

  • 短期よりも中・長期的に

    自己資本を充実させる節税

 

税務の専門家としてこれらをご提案し、専門家として経営の効率化に最大限貢献します。

これらが税理士の大切な業務の1つだからです。

どうやって節税するの?

法人税の節税対策をするためには、まず、事業で利益を出していることが必要です。

赤字の会社には節税対策は必要ありません。

その1
制度を利用して節税する方法

節税対策として、最も基本的なポイントです。

例えば、以下のような内容などで、法人税の節税を図ることができます。

 

  • 家族経営であれば、青色申告にして家族を役員や従業員にする
  • 特別減価償却や税額控除制度などの適切な制度を導入・活用する

その2
費用をかけて節税する方法

設備投資や新規出店は、費用がかかります。その費用は“必要経費”として認められるため節税できます。

事業に貢献しながら、必要経費が利益を減らします。その結果、節税できるのです。

節税には長期的視点を
持つことが大切

 

節税の目的は、手元にお金を残して更なる事業の発展に活かすことです。

納めるべき税金はしっかり納めて、未来に投資できるようにすることが節税です。

ところが、目先の納税が一時的に減ったとしても、長期的に考えると必ずしも会社・事業のためになるとは言えないことがあります。

 

例えば、生命保険や倒産防止共済など、利益を先送りすることによる法人税の節税があります。

これらについては、まとまった資金が出てしまうため、しっかりとした資金繰りの計画を立てる必要があります。また、会社の売却を考えた場合、過度な節税対策で赤字が続いていれば、売却額が大幅に安くなってしまいます。上場する場合も同様のことが言えます。

 

効果的な節税対策をするには、長期的、かつ実現性の高い予測を含んだ計画性が必要です。

あなたの業界の未来や、あなたの会社の経営状況を見ながら、税法の適用事例などと照らし合わせ、ケースバイケースで対策することが必要です。

 

役員報酬はいくらにすべき?

 

会社の役員は自分の給与を、自分で決めなければなりません。逆に言うと、自分で自由に決めることができます。

自由が故に、なんとなく決めていた役員報酬が果たして適正なのか、疑問に思っている方は多くいらっしゃいます。

金額の決め方

生活するのに必要な最低額、これだけあれば十分という満腹額、税金などの公租公課を考慮した最適額など、企業の財務状態や経営者の生活環境によって金額の算出方法は異なります。

 

最も頭を悩まされるのが、公租公課を考慮した最適額がいくらなのか?ということではないでしょうか。

給料が増えると、所得税も住民税、社会保険料も増えてしまう。給料を低く抑えるとその分、法人の利益が増え、法人税の負担が増える。給料は増やしたいが、税金を最小限に抑えたい。最適解がどこなのか、悩ましいものです。

 

結論は、法人税率と個人税率が同じ税率となる役員報酬額です。

 

個人税率とは


個人税率とは「所得税率」と「住民税率」と「社会保険料率」を合わせた個人所得にかけられる税率です。法人税率と個人税率のバランスがとれる金額帯が最適な役員報酬額です。

 

  • 個人税率 < 法人税率の場合は、給与を増額し法人の利益を抑える。
  • 個人税率 > 法人税率の場合は、給与を減額し法人の利益を増やし、法人税で納税する。

 

税率が高い方の税金を抑え、低い方の税金を払うのが基本です。こうすることで、法人と個人の全体で、流出する公租公課を最小限にします。

シミュレーションをおすすめします

 

法人の利益額がいくらかにより一概には言えませんが、目安として、役員報酬が月額100万円未満の方は、税率バランスが偏り無駄な税負担が生じている可能性があります。最適額をシミュレーションした方がよいかもしれません。

社長1人の役員報酬最適額は上記の考え方で最適額を算出すればよいのですが、ご家族複数人で役員報酬をとられている場合、誰をいくらにするか、増額する際誰をいくら増やすか、悩みます。少し複雑になりますが、これも法人税率と個人税率のバランスをシミュレーションして算出することが必要です。

ご存じの通り、役員報酬は基本的には、決算時にしか変更できません(例外はあります)。
決算確定の際に、次年度の利益予定を考慮して、きちんと最適額をシミュレーションして役員報酬を決定してください。

役員の退職金の決め方と退職金のメリット

 

法人税法上、役員退職金の算定方法は規定されておらず、「不相当に高額なもの」は損金不算入にする、ということしか明記されていません。
一生に一度の退職金、節税対策に有効に活用したい退職金ですが、むやみに金額を設定してしまうと、損金不算入となるリスクがあります。不相当に高額にならない合理的な金額を算出しなければなりません。

では、合理的な金額とはどれくらいを言うのでしょうか。これは、池永経営会計税理士法人のお客様からも本当によく頂く質問です。

退職金の算定の一般的な計算式

退職金の算定に用いられる一般的計算法は、功績倍率法です。

最終の役員報酬月額に、役員としての在任年数と功績倍率を乗じて計算する方法が一般的です。

 

退職金=最終役員報酬月額×在任年数×功績倍率

 

役員の在任年数 役員に就任して辞任するまでの期間(1年未満の端数がある場合は切り上げ)。
功績倍率 役員在任中の貢献の度合いを一定の割合で加算するもの。一般的には、社長3.0倍、専務2.4倍、常務2.2倍、平取締役1.8倍、監査役1.6倍です。

 

税務調査では、退職金の算定根拠を必ず問われますので、概ねこの計算式で算出することを推奨します。

 

退職金の税金は安い。


退職金は、長年の勤労に対する報償的給与として一時に支払われるものであることから、退職所得控除や他の所得と分離して課税するなど、税負担が軽くなるよう考慮されています。つまり、退職金の税金は安いのです。

退職所得の計算式

(退職金ー退職所得控除額)×1/2=退職所得

 

まず、退職金から、勤続年数に応じた退職所得控除額を引きます。
20年までは1年あたり40万円、21年以降は70万円。勤続25年の場合は、1150万円(40万円×20年+70万円×5年)です。

 

そして、上記金額に1/2を乗じて退職所得が算出されます。
ポイントはこの「1/2」。どんなに高額に取っても、2分の1に出来ます。つまり、半分の税率にすることができます。

 

所得税の最高税率は45%。住民税を加えると55%。これの半分、最高で27.5%の税率です。社会保険料もかかりません。

この仕組みが、退職金が節税対策として用いられる理由の一つです。

自社株の株価対策

節税対策でもう一つ効果的なのは、自社株の株価対策。
多額の退職金を計上することにより、法人の決算を一時的に赤字にする。長年蓄えてきた内部留保を掃き出し、株価を下げる。株式の移転にかかる税負担を安くすることもできます。

実際支給する際には、源泉所得税や住民税を控除して差引支給額を支払うことになります。議事録を作成し、辞任登記手続きを行い、差引支給額を振り込む。
大きな金額になりますので、先を考えて税理士に相談してきちんと準備し、適切な税務手続きを行ってください。

 

税額控除とは?

 

決算の際に、税理士さんからこのような話をされることがありますよね


  • 「所得拡大促進税制で税額を控除しました」
  • 「大きい金額の機械購入されてたので税額控除しました」

 

税額控除に関しては、税理士が何を見て、どうやって最大限の節税対策を行っているかがよくわかる部分です。
単に、「納税額が減ってよかった」というだけでなく、控除の内容についてもしっかりと聞いてみて下さい。

 

同様に、納税額が増えた時や、控除されると思っていたのに思ったほど控除額が大きくなかったという時も、その理由についてしっかり説明してもらいましょう。単純に売上の多寡や経費削減が理由ではないこともしばしばです。

例えば、事業規模が大きくなってくると、節税対策のタイミングが違うだけで納税額が大きく変わることがあります。

 

税金に関する説明は、”顧問の税理士が可能な節税対策をもれなく実行しているか”という証拠であると共に、”お客様企業の発展のために何ができるかをしっかり考えているかどうか”の表れでもあります。しっかり説明してもらいましょう。

 

御社は、控除や納税の詳細をちゃんと教えてくれる税理士さんとお付き合いされていますか?