同一労働同一賃金の対策として
人事評価制度の見直しを
人事評価制度のご相談を受けることが増えています。理由の1つに、「同一労働同一賃金」の方針があります。
同一労働同一賃金とは
同一労働同一賃金とは、評価や待遇面において正社員とパート社員・契約社員に不合理な差がないようにすること。
不合理な差とは、例えば正社員には通勤手当や家族手当が支給されるが、パート社員には正当な理由なく支給されない、といったものです。
不合理な差がないようにするために、評価制度で仕事内容を評価する事や、各手当の支給理由を就業規則で明確に記載する事が必要です。
評価制度の役割
同一労働同一賃金制度のもとでは、従業員それぞれの業務を分析し、職務や役割を整理することになります。
実はこの作業は、公平で納得感のある人事評価制度を構築し、活用していく上で非常に重要な作業です。
人事評価制度によって、従業員の能力や成果などを測定・改善するものです。また、自社の従業員の思考・行動・目指してもらいたい目標などを提示するものでもあります。
そして、評価の結果、従業員の功労に正しく報いるための制度です。
会社の目指す姿や、従業員に求める人物像と一致した人事評価制度を有効に活用することができれば、会社の更なる発展や、人材の育成に繋げることができます。
公平な制度とするには
この人事評価制度を公平で納得感があるものにするには、従業員がどういう役割や責任のもとで、どんな職務を担い、どんな能力が必要なのかを整理して一定の基準で表現する必要があります。
- 「ありたい姿」を目標として人事制度を構築する
- 求める人物像を明確化する
- 適材適所の配置・登用に幅を持たせる
- 評価者の評価能力に頼らない、具体的な評価項目を設定する
- 評価の根拠を明らかにし、バイアス(思い込みや特性的傾向)を払拭する
そもそも人事は、客観的なエビデンスがなく、検証・分析をしにくい分野です。
年功序列や男女差、世間的な平均給与などの領域から抜け出して、あくまでも個人に焦点を当てた客観的な対応が可能な評価制度を構築することが必要です。