column

コラム

一覧に戻る

税収と世界バラ会議と

セミナー

 

令和6年度の日本政府の一般会計収入(ほとんどが税収)は過去最高の77兆円でした。
歳出の方を令和2年度並みに抑えられていれば、26年ぶりに基礎収支がプラスになるチャンスでした。
が、この4年間で、11兆円も歳出が増加したため、8.4兆円もの基礎収支マイナスです。
国債利払費を加えると、18兆円ものマイナスです。

 

国公債発行残高は1300兆円を超え、対GDP比213%と世界最悪です。
高齢化により、社会福祉支出・安全保障のための防衛費の増額はやむを得ないでしょう。

 

そして、福山の街に目を向けると、「世界バラ会議」のラッピングバス、福山駅構内のバラ会議のポスターが目につき始めました。
バラ会議のために、この2年間で福山市は7億円もの支出をします。
世界のバラ愛好家の方が集まるイベントのようです。

 

なぜ福山市が主催する必要があるのか。
「ローズマインド」という「思いやり・優しさ・助け合い」を拡げるため?
ポスターを見ると、「福山から始まる新しい未来、みんなで創る、みんなで盛り上げる、みんなで輝く」というビッグワードのみ。
何かを言っているようでほとんど何も言っていない、伝わってこないフレーズです。
成果につながらない経営計画書のスローガンと似通っています。

 

せっかく我々の税金を使うのですから、「何を目指すのか、何が行われるのか」「市民にどんなプラスの影響をもたらそうとしているか」をしっかりと伝えて欲しいものです。

 

 

<この記事は、「経済リポート 2025年3/1号」に掲載されたものです>

 

 

 

この記事を書いた人

池永 章
池永 章

税理士・経営士

法人税・所得税・相続税の節税指導では定評がある。
NLP、心理学、言語学、認知額を取り入れたコンサルティング手法により顧問先を指導。
お金を残すための財務戦略や経営計画で顧問企業を強力にサポート。

キューバ旅行が何よりも好き。