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社員がやる気を出すしくみと給与のバランス

従業員を雇ってもすぐに辞めてしまう。
このようなことが続くと、経営者が一番傷つきます。
そして、時に「どうすれば従業員のモチベーションを維持できるだろう・・・。」と、上司たちが悩んでしまうかも知れません。すると、安易に給与を上げることを選択しそうになります。
しかし、給料を多く出せばやる気が出るのでしょうか。

実は、給料を上げても従業員のモチベーションの維持には一時的な効果しかないという研究結果が出ています。
給料は、一つのモチベーションを上げる要因ですが、長くは続かないのです。
つまり、この手段でモチベーションを高く維持しようするならば、どんどん給料を上げ続けなければならないことになります。

従業員がやる気を出す要素とは?

称賛されること

アメリカのある航空会社では、社員同士でたたえ合うプログラムを導入しました。
これは、従業員の誰かが会社に貢献したり、何か努力して成し遂げたり、模範的な仕事をしたりした場合、同僚を指名できるプログラムです。
指名された従業員はポイントをもらうことができます。
そしてこのポイントは、好きなように使うことができるのです。
例えば、ポイントを溜めておいて旅行などのオプションに使用することもできれば、すぐに商品券と交換して食事に使うこともできます。
この航空会社の調査によれば、表彰者の人数が10%増えるごとに、社員の定着率が3%上がり、会社に愛着とやる気を持って仕事に取り組めていると答えた社員が2%向上したとのことです。

責任感・達成感をもつこと

ピーター・ドラッカーは、著書「現代の経営」の中で、“人は、何かを達成した時、達成感を持つ。
仕事が重要な時、自らを重要だと思う。“と述べています。
自分の仕事について、裁量権や意思決定権を持つことができ、自らが関わるプロジェクトや業務に対して中心となって最後までやり抜いた時にこそ、責任感や達成感が生まれます。
「誰にでもできる仕事」「大した仕事ではない」と感じると、従業員のモチベーションは下がります。
逆に、「ここは自分の力の発揮できる場所だ!」と思うことで、更に良いものを生み出そうという意欲と、それを成し遂げた時の達成感が高まるのです。

 

認められること

これをお読みの社長は、従業員に対して、「こうなって欲しい」「これができるようになって欲しい」という理想をお持ちですか?
もちろんおありだと思います。
そして、その従業員が自分の思ったようにできないと、イライラしたり叱ったりしてしまいますね。
しかしそればかりだと、従業員はまるで自分が会社にいいように使われている機械のように感じ、働く意欲をなくしてしまいます。
個々で接し方や指導法を変化させること、そしてちょっとしたことでも気付いたことについて声を掛けることで、「大切にされている」と感じることができます。

給料とのバランス

やればやるほど報われる会社。給料面で考えるとすれば、この部分でしょう。
「報われる」の意味は、報酬であったり、評価であったり、地位であったりしますが、そのような報われる機会があることが、社員、特に営業社員の動機付けとして最も重要です。
毎月の給料に一部歩合制度を取り入れ、社員のやる気を更にアップさせるしくみにするのも一方策です。
また、毎月の給料に反映させる方法の他に、半年に1回の賞与で反映させる方法も考えられます。
こういった制度で重要なのは、ルールをきちんと決めておくことと、それを明文化しておくことです。
ルールが決まっていて、それに応じて評価と計算がしっかり行われていれば、社員から不平不満が
出ることはありません。
ただ、給料制度の変更は、労働関係の法律とも絡んできますので、社会保険労務士に相談しながら進めた方が良いでしょう。
こういった給料制度の設計1つで、将来の売上は大きく変わっていくものです。
あなたの会社の業績をアップさせるために、どのように制度を組み立てていくか、考えてみてください。