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インフレ対応シミュレーションを


 
 

2022年2月の企業物価指数は対前年比9.3%の上昇でした。
一方、消費者物価指数は0.9%の上昇(携帯電話通話料の値下げを除くと2.4%の上昇)。

 
 

企業の仕入価格が上昇しているにもかかわらず、消費者向け販売価格が据え置かれている状態です。
企業の経営努力によるコスト高の吸収も限界が近づき、そろそろ本格的なインフレが予想されます。

 
 

我々ができることは、インフレ状況になることを想定して、耐え得る準備と行動をすることです。

 

まずは、インフレがどの程度利益に影響を及ぼすのかを知ることです。

 
 

例えば、仕入価格が5%上昇した場合、経常利益がいくら減るのかを知る。
仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁できなければ、仕入価格のみが上昇し、その分、粗利益が減少します。
固定費が同一だとしても粗利減少分がそのまま経常利益の減少となってしまいます。

 

たとえば、粗利率30%の場合、仕入価格が5%上がると経常利益率は3.5%減少します。
現状の経常利益率が5%だと、利益が7割も消えてしまいます。
元の利益に戻すためには販売価格を3.5%値上げしなければいけません。
粗利率が分かれば簡単に計算できます。

 
 

過去30年、インフレを経験していない日本にとって、値上げには抵抗感があります。
粗利率が低い会社ほど利益に与える影響が大きくなるので、値上げが必要です。
顧客離れを起こさないよう、上手に納得感ある値上げが必要です。
まずは、シミュレーションをして準備を進めてください。

 
 
 

税理士  新谷 博生